犬の困った行動、問題行動はほうっておいても直りません。成犬になったらおちつくどころか、困った行動が強化され、さらに悪化してしまうことも!
困った行動があれば早急に、行動カウンセラーに相談するなど対応しましょう。
犬がかむ。咬み方は本気で咬むのか、甘噛み(飼い主さんがいう「甘噛み」は主に子犬の頃のじゃれ咬みのことをいいます。)なのか。犬が咬みつく対象は家族(飼い主)なのか、犬なのか、他人なのか。いずれも対処法は異なります。ただ、放っておいてもなくなるということは無いので、しつけ教室に通うなど早めの対処が必用です。
とくに、子犬の頃の甘噛みは、ほうっておくと、成犬になった際に本気でがぶりと咬むようになってしまうので、必ず子犬のうちに対処しておきましょう。稀に、子犬が甘噛み(じゃれ咬み)してきたら、思い切り叱るという飼い主がいます。そこでおとなしくきく子もいれば、気の強い子犬になると、興奮してよけいに飼い主にかみついてくることがあります。
このように咬むといっても原因・対処法は様々なので、近隣のしつけ教室や専門家に相談してみましょう。
「成犬なのですが、トイレ(おしっこやうんち)ができません。」「子犬ですが、おしっこはできるのにうんちができない。」。このような悩みをよく伺います。成犬で、今まではきちっとトイレができていたのに、できなくなったという場合は臨床的な問題(病気)、環境の変化によるストレス、分離関連障害(分離不安と一般的には呼ばれています)が原因かもしれません。子犬の場合、ペットショップでトイレとベッドが別になっていない環境で育った子はトイレトレーニングを学習するのに時間がかかることがあります。また、4ヶ月齢頃には、ホルモンの影響で一度できていたおしっこやうんちができなくなることがあります。もう一度、初心に戻ってトイレトレーニングを行いましょう。
犬が無駄吠えをするんです。と飼い主さんは言いますが、犬はちゃんと意味があって吠えています。要求吠え、警戒吠え、遠吠えなどと吠える原因も様々です。犬が吠えるというのは、犬からのメッセージです。要求吠えの場合は、飼い主の対応が原因になっていることがほとんどです。チャイムやインターフォンの音に反応してしまい、吠え続けてしまい対応に困っていると嘆く飼い主さんも非常に多いです。チャイムが鳴ったらケージに入って待つ、人が大好きな犬の場合は、玄関でおとなしくお出迎えするようにしつけをすることをおすすめします。犬の学習理論(行動学)を用いてしつけをすれば、成犬になっても手遅れではありません。吠えやすいダックスフンドやビーグルは、子犬の頃からしっかりとしつけをしておきたいですね。
犬が自分の手(足)をかじる。床を舐め続ける。しっぽを追いかける。このような行動は最初は飼い主はほとんど気にもとめませんが、犬が行動をし続けることにより、ドーパミンの影響も手伝って強化されていきます。ひどくなると、手足や体は毛が抜けてしまう。原因は慢性的なストレスだったり、興奮や緊張、飼い主の行動がきっかけであることが多いです。
咬んだ尻尾が壊疽をおこしてしまい、尻尾を切るはめになった。という話も実際にあるので、早急の対応をおすすめします。
枯れ葉や落ち葉を食べる。道に落ちている石ころやタバコの吸い殻を食べる。拾い食いに悩む飼い主さんはあとをたちません。こういった拾い食いは、拾い食いをすればするほどその行動が強化されてしまうので、拾い食いをしてしまってからではなく、する前、未然に防ぐのが一番です。日常の生活で刺激がなく、暇をもてあましている活動的な犬種、たとえばジャックラッセルテリアによくみられます。日々の刺激を増やしてあげることをおすすめします。
また、子犬の頃にうんちを食べるのは、さほど異常な行動ではありませんが、成犬になってもうんちを食べ続ける場合や、飼い主の注意をひくためにうんちを食べている場合もあるので、
原因をはっきりさせましょう。わからない場合はしつけ教室や行動カウンセラーに相談するとよいでしょう。
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佐藤 えり奈
ペット心理行動カウンセラー
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7月20日のAll about犬に掲載されました。ペット心理行動カウンセリングのお仕事や症例も載っています。
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