日本では、犬のしつけで困ると、獣医師や犬の訓練士、身の回りの犬友に相談することが多いでしょう。ペットの先進国である欧米、英国では、犬の行動専門家、「ドッグビヘイビアリスト」に相談するという選択があります。欧米では、ビヘイビアリストは、心理学や行動学の学士、若しくは修士レベル以上を保持していることが条件です。日本では、行動カウンセラーと呼ばれていて、行動カウンセラーは犬の生態、行動学や心理学を学び、行動療法を用いて犬の問題行動に取り組みます。要は、犬の行動や心の問題を解決する役割があります。
行動学上で言う罰には、大きくわけて「正の罰」と「負の罰」の2種類があります。正の罰は、犬にとって嫌なこと(罰子)が起こること、負の罰は犬にとって良いこと(強化子)がなくなることによって、行動の頻度が下がることをいいます。
しかし、正の罰を与えるにも、タイミングや加減の難しさ、何よりも犬が飼い主を恐れるようになることもあるので、おすすめしません。さらに、罰から犬は正しい行動を学ぶことはないのです。排泄を失敗した犬を叩いても、正しい場所での排泄を学ぶことはありません。
犬は、物事を関連付けて学習します。もともとは意味のないチャイムの音で人が来ること、おすわりするとおやつがもらえること、鍵の音がすると、飼い主がさんが出かけること。つまり、私たち飼い主が教えていなくても、犬は学習しているのです。よくある問題行動、「無駄吠え」といわれる問題も、実は飼い主が無意識で行っている行動が、問題なのです。犬の問題行動の原因は実は飼い主?!
犬のごほうびと聞くと、何を想像しますか?
おやつ、撫でる、ほめるだけがごほうびではありません。「犬の感情」やモチベーションこそ最高のごほうびです。
犬自身の「嬉しい!」、「楽しい!」気持ちを理解してあげることで、犬が自発的に正しい行動をとるように楽しくしつけをしましょう。犬に無理矢理やってほしい行動をさせるのではなく、犬自身が喜んで行動できるように導いてあげるのが、信頼できる飼い主さんの役目。心が通い合うようになるのと共に、おやつなしでも、愛犬は信頼できる飼い主さんに応えてくれるようになります。
しつけ教室に通ったのに、トレーナーさんに預けたのに効果がない、問題行動が解決しない。たとえば、「咬む」という問題行動も、咬む対象、月齢、犬の性格、飼い主の対処の仕方により原因は様々です。じっくり話し合って、その子の性格や、飼い主さんの生活スタイルに合った行動治療プログラムを行います。
佐藤 えり奈
ペット心理行動カウンセラー
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7月20日のAll about犬に掲載されました。ペット心理行動カウンセリングのお仕事や症例も載っています。
9月9日スノードリーム株式会社にて「犬の問題行動」セミナーを行いました。